ライツ
R-D1もM8も、デジタルカメラです。しかしレンズマウントはMマウント(互換)に加え、アダプタを介せば、Lマウントのレンズも装着可能です。
このLマウント、古くからの規格なので、戦前のレンズすら使えることになります。
ただ、そういったオールドレンズは品質に心配もありますし、無くても不自由するわけではないので、あればあったで面白いし、機会あれば入手してみたい…と思ってはいました。
するとある日たまたま中野で「戦前モデル」と銘打たれたエルマーを発見。画角は90mmと、当時はR-D1しかありませんでしたが、なんとか私の環境で扱える範囲。※1
これは…と思って購入した次第。
実際戦前のものなのかどうか、製造番号から調べると1937年製(!)と判明。昭和12年製…、70年近く前のレンズってこと…?すげーな。
しかし程度としてはクモリが若干アリ、ホコリが少し…ってところなんですが、目視ではあまり目立たない。経過年数を考えれば、むしろいい方なのでは?と思えます。外見はさすがにぼろぼろですけれど、使用上は問題ないし、むしろ「戦前」という説得力があっていいですね。
ただ、だからかレンズにコーティング無し…という感じなのですが、実際どうなんでしょ?
戦前のレンズといっても写りはしっかりしています。柔らかい感じも残ししつつ、結構シャープ。色彩はおとなしめ。
開放側で撮って楽しんでいますが、ちょっとまだ試写の数をこなしていないんですけれど、むしろ絞る(F9以上とか)と画像が乱れるような気が…。ちゃんと確認しないと…。
ちなみにR-D1では距離計の関係でピンが合わせにくいのですが、キャノン85mmよりは精度がいい感じがします。まぁ、被写界深度がそちらよりも深いせいなのですが、同じF値でも、10m以上無限遠未満の距離でもピンが合いやすいかと。
R-D1ではファインダーの限界を超えるので、キヤノン製外付けファインダーを装着します。キャノン85mmがバズーカなら、こちらはスナイパーライフルの様相です(^^;)。しかし開放してもF4ということから、被写界深度でピンを外す…ということはあまりありません。
M8に装着してもなかなかの味で(外観が)、よく、声をかけられます(^^;)。ちなみに内蔵ファインダー枠は75mmがちょうど良いかも。
コーティングが無いせいか、環境光が明るい場所だとフレアというか、白かぶりした写真になってしまいます。これはフードである程度解決できると思うのだがどうだろう。
調べてみると、IUFOO/12575…ではなく、別のズームフード(12530?)というのがこの口径36mmのエルマーに使えるフードっぽいので、そのうち探してみようかと。マップカメラあたりにあるかな?※2
また、最大絞りがF36という、あまり聞かない数値になのが…(^^;)。そもそも、そうそうそういう絞りで撮る機会がないような気が…。しかしそのうち、ISO値をあげてでも撮ってみようかな…と思っていたり。まぁ何事も試し打ち…ね。
基本的には「戦前のレンズも使えるですよ」的デモストレーションラインナップ…というところなんですが、しかしちゃんと使えて写りもいい。ちょっと胴長だけど、細くて軽くて持ち運びしやすいこともあり、結構使っていきそうなレンズかと思ってます。取扱や保管にも気をつけないといけないと思いますが(ただ、鉄製と言うこともあり、最近のレンズよりもいまだに頑丈そうな印象もあるのだが)。
まぁそれよりも、うちのお袋よりも長生き(親父よりは若い)なレンズが巡り巡って自分の手元にやってきている…というところに、なにか感慨深いモノを感じてしまうのですが…。これもまたLマウントの面白さというところだろうか…。
※1:情報源は不明ですが、某ページでは「50mmを超えるレンズに関しては、R-D1では距離計の精度が保証されない」とあります。
ただ、私の環境では135mmまでのユニバーサルファインダーがあるため、35mm換算でその画角までは「とりあえず扱える」としています。
※2:後日、マップカメラで発見、購入してしまいました。フードのくせに1万6千円となかなかのもの…(;_;)。まぁでも代わりにエルマー50mmなどにも使えるので、そちらのレンズを手に入れても…って、これ以上増やす気か?>をれ(^^;)しかもフードを理由に…
そうそう、ご多分に漏れず、M8だと赤かぶりがスゴいことになります。径が(今となっては)特殊なので、IRブロッキングフィルターを装着できませんでしたが、SOOGZというステップアップリングを利用すると、39mm系のフィルタを装着できます。
それを利用して撮ったサンプルも掲載しておきます。ちなみに既存のフードが使えなくなるので、なにか探してみようかな…。たぶんIUFOO/12575あたりが利用できると思うのですが。
撮影サンプル(R-D1使用):
撮影サンプル(M8使用):
撮影サンプル(M8使用・IRフィルタ装着):