M型ライカ用接写装置
ライツ製(現ライカ)
RF機をいじくっているとふつふつとわき上がってくる衝動の一つに「接写」がある。
単焦点とはいえ、レンズが多種有る中で、パララックスの問題もあって苦手とされる接写。そもそもレンズが70cmより近い場所に対応していないという問題もある。
そこで、RF機でいくつかの接写するための手段があるのだが、一番手っ取り早いのがDRズミクロン50mmF2を使用するという物。通常は他と同じズミクロンとしても使用できるが、接写モードというのがあるらしく、それに移行し、またパララックスなどを補正する、距離計に装着する「眼鏡」をセットすれば、50cmくらいまで寄れる接写ができるようになる。
50cmで接写…というのも今時どうか…ということもあるが、50cmという画角でもあるので、それなりに迫力があるらしい。
ただ、困ったことにM8にはこれが装着できないらしい。詳しいことはわからないが、眼鏡分のアタッチメントがボディに干渉するとか、接写モード時の鏡胴下部が本体内に干渉するとか、諸説入り乱れているが、「接写で使えた」という話が一切出てこないので、おそらく無理だと思われる。
そこでもう一つの方法で出てくるのがSMOKYという接写用アダプタ。これは1956年に発売されたらしい(私のがいつのモデルかは不明)。
これをMマウントのカメラとレンズの間に挟むわけだが、使用できるレンズは沈胴ズミクロン50mm F2とエルマー(F2.8 50mm)らしい。
これらは沈胴するレンズなわけだが、その沈胴部分の尻にある金具を使って接写リングに接合するので、ズミクロンの場合はL・Mマウント問わずに使用できる。
エルマーもそうなのかどうかは不明なのだが、私の入手したSOMKYではエルマーを使用すると後ピンになってしまった。
中古カメラ市で見つけたシロモノなので、店員にお願いして試させてもらったときに発覚したのだが、その店員さんにも色々試行錯誤してもらったり、情報を集めてもらったのだが(お客も教えてくれた(^^;)中古カメラ市のように人が集中すると、そういうことがしやすくて良い)、エルマーを使用する場合は更に専用のアダプタをかまさなくてはならないらしい。
残念ながらそのアダプタは無かったが、変わりに固定鏡胴のズミクロンをハメる(…といっても、レンズを分解して前玉部分のみを使用するのだが)アダプタは存在した。
…えらくややこしいのう。
しかもそういう情報が聞き伝えでしか残ってない…ってのもずいぶんアナクロだ(^^;)。
なお、現行のレンズでもエルマー90mmをつかうマクロアダプターというのが存在するが、結構な値段なのでおいらには手が出せない。
今回のSOMKYは、希少性の割には2万円程度で手に入れられたので、10数社が集まるカメラ市で結局1個しか見つからなかった…ってのもあるし、情報の件も含めて相当ラッキーだったのかも。
「SOMKYというのがあるのか、欲しいな…」というところで知った中古市だったし(^^;)。
スペック的な詳細はよくわからない。取り付けたズミクロンの鏡胴のヘリコイドはSOMKY使用時には機能せず、SOMKY側のヘリコイドを操作することになるわけだが、ここに記載されている距離の数値がmでもcmでもなく、かといってフィートでもないらしく、ひょっとしたらインチかもしれないその表記だと、最低距離がよくわからない。
ただ、右手でカメラを構え、左腕を前に伸ばした時に手首にピンが合う程度を考えると(腕時計が撮れた)、50cmをやっと下回る程度か。
それこそDRズミクロン相当だと思う。…あまり構造、変わらないのかも。
眼鏡部分がしっかり作られているのか、意外にパララックスにあまり悩まされない(悩まされることもある)。
一番恐ろしいのは被写界深度の浅さ。F2絞り解放時の浅さは非常に厳しい。逆にそれを活かせれば面白い画作りもできるとは思うが。
また、それと同時にコサイン誤差が恐ろしくシビアになっている。フィギアの全身像を撮ろうものなら、えらく苦労しそうな…。
ピンは画面中心位置に固定したり、体をパンして動かす特殊技術を身につけないといけないかも。それもなかなか難しいのだが…。
…っていうか、素直に三脚使え…ってことなんでしょうが(^^;)。あるいはストロボか…。
なお、距離計の構造の違いから、R-D1では使用できない。別段、装着して使用しても構わないとは思うが、距離計が連動しないので目測になる。…マクロで目測は苦しかろう…(^^;)。
撮影サンプル(M8使用):
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